【私のへそ物語③】まだ死にたくないよ


◆前回までの記事◆
① 貴方は、もう忘れたかしら~♬ 私の中に渦巻く“罪悪感” 
② 離婚・自由・楽しい 「え?大どんでん返し?? 」


今日は第3話に入るので、その前に

この先、話しを続けるために 
魚市場で働く 
えみりんの3人の子どもを 

長男 オオマ(オオマのマグロですよ) 
長女 アサリ(これは、貝) 
次女 ツナ(これは、加工品w) 

と、名付けておきます。 


まだ死にたくないよ 


画像の説明

離婚から3年が過ぎた頃、 
友人とその子どもと一緒に 
いちご狩りへ行ったときに 

オオマが言いました。 

「最近、微熱がずっとあるし 
指先が震えるし、手の色も変なんだ」 

と。 

「そういえば、血の気が薄いね? 
あんた、栄養失調なんじゃないの~~?」 

そう、学校から帰るとそのまま 
お友だちと一緒に過ごしてて 

夕飯を家で食べることが 
ほとんどなかったから 

“栄養が足りてない“と思ったのね。 

時はゴールデンウィーク真っ只中。 
明けてすぐ、病院へGO→ 

画像の説明

そのまま検査入院。 

医師曰く 

「貧血がひどく、女の子ならまだしも 
男の子では考えられない」 

とのこと。

1週間、 
血のものを抜いた食事をして 
再検査をするという。 

そして、3日と経たず 
''私のもとへ医師から電話が鳴った。 
''

息子さんの結果がでたので 
来てくれますか?と。 

営業先を飛び出して病院へ向かう道中 
私の脳裏によぎるのは、 

――貧血がひどい? 
――1週間の予定が2日で結果がでた? 
――白血病か再生不良性貧血なんじゃ? 

ただそれだけだった。 

病院に着いた私に医師は、 

「お子さんは、白血病の疑いがあります。 
医師を紹介するので、 
すぐに向かってください」 

頭が真っ白になる、って 
こういうことなんだな。 

えみりんは何も考えられなかった。 

オオマを連れて一旦家に戻って 
しばらく入院になるかもしれない、と 
オオマにシャワーをさせ 

紹介された病院に向かう車の中で 
オオマは、 

「おれ、まだ13年しか生きてないよ? 

まだ死にたくない」 

と言った。 

こぼれ落ちそうな涙をこらえ 

「詳しい検査ができないから 
病院を変わるだけ、 

まだ何も 
未来は決まってないよ」 

そう言いながら、 

頭の中は不幸な結果に恐怖し 

祈るしかなかったのです。 

病院に着くと 
連絡を受けていた看護師さんたちが 
バタバタとオオマを連れていった。 

画像の説明

ひとり、薄暗い病院の廊下で 
祈りながら待つこと4時間。 

点滴をつけたオオマが、 
やっと出てきた。 

その姿は、 
いきなり、病人に見えた。 


④  骨髄移植は最後の砦?へ続く